予想よりも早かったけれど、開発が順調そうなのはうれしいかぎり。
今回のリリースに関するアナウンスやダウンロードは公式フォーラムのこちらから。
ざっとアナウンスの内容をみてみると
LuxRender本体の動作について変更があったり、古いバージョンと互換がない部分も
あるためエクスポータも更新する必要がありますとのこと。いつものお約束ですが
luxblendも更新しておくのが良さげです。残念ながらblender2.5対応のluxblend25は
更新されなかったようです。
Dade氏によるGPGPUサポートをLuxRenderに取り込むための作業が進行中。
ただし、GPGPUサポート版の前に今回のv0.7正式版のマイナーアップデートがある
可能性もあり、時期は夏の終り頃、内容はバグ修正が主なものになるはずとのこと。
v0.7RC3からの変更点としては
・バグフィックス(主にfireflyノイズ対策)
・フォトンマッピングの改善(内部的な安定性の改善。オプションや機能の追加、変更は無し)
となっています。
FireFlyノイズ対策はいろいろテストして対応を試行錯誤していただけに、本当に大歓迎。
フォトンマップの安定性向上はメモリが少ない環境下でのマップ作成時の動作を改善と
いう内容だったと記憶しています。
どちらも目立つ新機能というわけではありませんが実用面で恩恵が大きそうです。
前回の正式版であるv0.6.1からの変更としては
・Qtによる新たなGUI
・QBVHアクセラレータのバージョンアップ
・mitchellフィルターのスーパーサンプリングオプションの更新(デフォルトで有効)
これによりリング状のアーチファクトの発生を抑制しつつ、シャープな画像が得られます。
・metropolisサンプラーの大幅な改善
・bidirectionalインテグレータの改良
・pathインテグレータでダイレクトライティングサンプリングのオプションを追加
・従来のglossyマテリアルをglossy_lossyマテリアルに名称変更。
新しく実装されたglossyマテリアルはエネルギーロスが少なく、よりよい結果を得ることができます。
・レンダリングの効率改善のため環境光のオプションとしてimportanceサンプリングを追加
・ボリューメトリックオブジェクトに光の吸収に関するオプションを追加。
glass2マテリアルやボリュームプロパティを持ったオブジェクトなど透光性のある物体で利用できます。
(今後のバージョンアップでさらにオプションが追加される予定です。)
・brickテクスチャに関する大規模な機能拡張
・タブ区切り形式のスペクトルデータをファイルから読み込み、テクスチャに利用可能になりました。
PBRT2形式のスペクトルファイルも利用可能です。
・画像ファイルの読み込みにFreeImageライブラリを利用するようになりました。
これにより、より多くの画像フォーマットがサポートされるようになりました。
・nullやarchitectural glassといった透明なマテリアルもインテグレータの光路計算において
バウンスのカウント対象になりました。
・レンダスピード向上のためのさまざまな拡張
・多くのバグフィックス
・LuxBlendでのインスタンスオブジェクトのサポート改善
・LuxBlendでのパーティクルヘアーのサポート改善
と非常にたくさんの機能追加や改善、バグフィクスが行われています。
v0.6.1からv0.7へ更新した場合、レンダスピードの向上と品質の改善はかなり大きそうです。
上記の変更点は冒頭のリンク先の概要をまとめたリストを元にしているのですが
更なる詳細を記載したものが公式フォーラムのこちらにあったりします。
いろいろと使えそうな機能や内容が多くありそうなので、こちらも後日訳す予定。
全体的に見ると、それなりに機能追加はあるもののv0.7Finalは既存の機能のバグフィックスや
ボトルネックの解消を重視した安定版といった印象を受けます。
v0.8以降はLuxraysライブラリによるGPGPU対応やluxblend25でのblender2.5サポートと
新機能が山積みの予定なので、今回のv0.7はそれに向けた一区切りといった感じでしょうか。
そういった点ではv0.8 Finalがでるまでの安定版として落ち着いて使っていくのに良さそうです。
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